1月9日の為替市場は、前日の米国株高と金利低下を受けて、ドル売り・リスク選好のムードで始まった。東京時間の序盤、EUR/USDはじり高となり、1.10の心理的節目に接近。アジア勢の輸出企業によるユーロ売りが断続的に入ったものの、流動性が薄い中で価格は高値圏を維持した。
市場関係者は「前日の米10年債利回り低下がドルの上値を抑えている」とし、短期筋はレンジ上限を試す動きを優先したと語った。為替の基礎用語やテクニカル水準の整理については、Investopediaの為替ガイドが参考になる。
欧州午前:ユーロ買いが加速、1.10をテスト
ロンドン勢が参入すると、ユーロ圏の景況感指標が市場予想をわずかに上回ったことを材料に、EUR買いが活発化。EUR/USDは1.1000–1.1020ゾーンまで上昇し、日中高値を更新した。
テクニカル的には、200時間移動平均線と前週高値が重なる抵抗帯に突入した格好で、短期トレーダーはブレイクアウトを狙う一方、オプション関連の売り注文も厚く、上値追いは限定的だった。ある欧州系銀行のアナリストは「1.10台は実需の売りが集まりやすく、クリーンな上抜けには追加材料が必要」と指摘した。
米国午前:米経済指標で潮目が一変
ニューヨーク時間に入り、米新規失業保険申請件数が市場予想を下回る強い結果となると、ドルは一転して買い戻しが加速。ドル指数(DXY)が反発し、EUR/USDは1.10を割り込んで急落、1.0950付近まで押し戻された。
この動きは、米国経済の底堅さがFRBの利下げ期待を後退させたことに起因する。米マクロ指標とドルの関係については、FRB公式の経済データ解説が背景理解に役立つ。
トレーダーの一人は「1.0980の短期サポートが割れたことでストップが連鎖し、下げが加速した」と述べ、インターデイのモメンタムが完全にドル優位へ転換した点を強調した。

午後:ボラティリティ拡大とポジション調整
米株式市場のオープン後もドル高基調は続いたが、1.0950–1.0970ゾーンで一時的に下げ渋り、短期の買い戻しが入る場面もあった。もっとも、日足レベルの下降チャネル上限が重く、ユーロの反発は限定的だった。
オプション市場では、1.10に大口のノックアウト水準が残っているとの観測もあり、ディーラーはガンマヘッジの売りでユーロの戻りを抑制。市場は次の材料待ちの方向感のないボラティリティに移行した。
クローズ前:テクニカルが支配する終盤戦
引けにかけて、EUR/USDは1.0960前後で小動き。RSIは50を下回り弱含み、短期移動平均線も下向きに転じた。テクニカル派の間では「1.0940が次の重要サポート、割れれば1.09台前半が視野」との見方が広がった。
一方で、米長期金利が再び低下に転じれば、ドル高の勢いが鈍る可能性もあり、双方向のリスクが残る展開で取引は終了した。
次の焦点
本日の為替市場は、米指標をきっかけにドルが巻き返し、ユーロの上値を封じた一日だった。市場参加者は今後、米インフレ指標(CPI)やFRB高官の発言を注視し、1.10の再挑戦が可能か、それとも1.09台への調整が進むのかを見極めることになる。
短期的には、1.10が明確なレジスタンス、1.0940–1.0950が重要サポート。このレンジをどちらに抜けるかが、次のトレンドの方向を決める鍵となりそうだ。
