本日の貴金属市場は、地政学的リスクの高まりを背景に強い「安全資産買い」の流れから開始した。前日の夜間セッションで、南米ベネズエラにおける政治的な不安定さが報じられたことを受け、投資家のリスク回避志向が強まった。これに伴い、金(Gold)および銀(Silver)の先物は取引開始直後から急伸。午前9時までに金価格は前日比約+3%の上昇、銀はさらに高い伸びを記録した観測が伝えられた(参照:Gold and Silver Prices Are Surging Again Following Venezuela Developments)。

この早朝の上昇は「インフレ懸念とドル安傾向」が絡んだ積極的な買い戻しでもあり、投資家はXAU/USDの主要テクニカルレジスタンスを一時テスト。ある市場アナリストは「新たな上値トライの動きが見られる」とコメントし、価格モメンタムの強さを強調した。


午前後半:貴金属に続きコモディティ全体が追随

日中前半にかけての米商品市場では、銅(Copper)も堅調な展開となり、ロンドン金属取引所(LME)での需給懸念が価格を後押しした。銅は年初来高値を更新しており、これは供給制約や関税見通しが投機筋の買いを引き寄せたためとされる(Copper Hits Record High as Metals Trade Leads 2026 Gains)。

一方で一部の農産物・エネルギーコモディティはやや弱含みの展開となったが、金・銀・銅といったインダストリアル&プレシャスメタルズが市場全体のボラティリティを牽引した。

トレーダーの一人は、「金の急騰は単発の反発ではなく、主要なサポートレベル突破後の強い追随買いの可能性を示している」と語るなど、テクニカル上でも上昇基調が市場の焦点となった。


午後:ボラティリティの上昇と市場心理の変化

欧州時間に入ると、ドル指数の反発局面がドル建て貴金属価格の上値を抑える場面が見られ、利益確定売りが観測された。しかし、引き続き地政学リスク要因が重しとなり、金・銀は依然として高値圏での推移が続いた。

15時頃には、投資銀行やヘッジファンドが金の主要サポートラインを堅守しているとの分析を発表し、これが再び買い意欲を刺激する形となった。

市場参加者の多くが「価格が高値圏でもみ合いながらも押し目を買う動き」が優勢と指摘し、インターデイのモメンタムは買い優勢のままクローズへ向かっている


クロージング:一日のまとめとテクニカル見通し

総括すると、1月9日の貴金属マーケットは地政学リスクと安全資産志向の高まりを受けて全般に堅調な値動きとなった。金は主要レジスタンス付近での攻防が続き、銀・銅も揃って強い上昇モメンタムを維持した。

テクニカル分析では、金のサポートは主要移動平均線レベルが意識され、押し目買いポイントとして注目されているとの見方が多い。複数のアナリストは「今後の焦点は米雇用統計やFRB議長の発言」と述べ、短期的な変動要因に注意を促している。

来週の市場参加者は、主要経済指標の発表や地政学的なニュースフローを注視しながら、貴金属の押し目買い戦略ドル方向性を見極めることが重要になるだろう。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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