金先物(COMEX)は東京時間、1オンス=1,985〜1,990ドルのレンジで小動きとなった。前日の下落を受けて新規売りは限定的で、安全資産としての需要が下値を支えた形だ。
市場では「重要指標を前にポジション調整が中心」(貴金属トレーダー)との声が多かった。

欧州時間:ドル反落で一時上昇

ロンドン時間に入ると、米ドルが弱含んだことで金は買いが優勢となり、1,998ドル近辺まで上昇。心理的節目である2,000ドルを目前に、短期筋の買いが入りやすい地合いとなった。
ただし、この水準では戻り売り圧力も強く、明確なブレイクには至らなかった。

米国時間:経済指標待ちで反落

NY時間序盤、米国の経済指標発表を控え、金は再び1,990ドル台前半へ反落。米長期金利が小幅に上昇したことも重しとなり、投資家心理はやや慎重に傾いた。
テクニカル的には、1,980ドルが短期サポート、2,000ドルが強いレジスタンスとして意識されている。

見通し:イベント次第で方向感鮮明に

金市場は一日を通して方向感に欠けたものの、重要水準を挟んだ攻防が続いた点は注目される。今後は米インフレ指標や金融政策関連の発言が、金利・ドルを通じて価格変動を左右する可能性が高い。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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