12日の仮想通貨市場は高いボラティリティに揺れた。ビットコイン(BTC)は朝方に急落し、42,100ドルの安値をつけたが、米株高とショートカバーを背景に急反発。終盤には43,500ドル付近での推移となった。


朝方:売り優勢、アルト安と米金利観測が重石

薄商いのなかで下げが加速

アジア時間、BTC/USDはアルトコインの売り連鎖と米金利上昇観測により下落が進んだ。
・日中安値:42,100ドル
・下落率:−4.0%

市場参加者からは
「短期勢の手仕舞い注文が重なり、流動性の薄い時間帯に下げが増幅した」
との声が聞かれた。

重要テクニカル割れで売りが増幅

・サポート:42,500ドル割れ
・200時間移動平均線(42,800ドル)喪失

これらテクニカル要因がアルゴリズム売りを誘発し、一時的にセンチメントを悪化させた。


午後:米CPI低下で反転、株高と連動し買い戻しが進む

インフレ鈍化がBTCの支援材料に

米CPIの下振れを受け、米株市場がリスクオンに転じたことでBTCも反発。
・42,800 → 43,400ドルへ急上昇
アナリストの多くは
「BTCとナスダックの相関が再び高まり、株高が明確に仮想通貨へ波及した」
と分析する。

ショートカバーで上昇に拍車

43,000ドルのレジスタンスを抜けるとストップ買いが入り、上昇が一段と加速。
RSIも30台から急速に反発し、テクニカル面からも買い優勢となった。


NY時間:高値圏維持も慎重姿勢は継続

43,600ドル付近で利確売りが表面化

上値はやや重くなり、43,300~43,500ドルでのレンジ取引へ移行した。
中期投資家からは「ETFフローの安定を確認するまでは積極的に買い進みにくい」との声もある。


終盤総括と見通し

次の焦点は44,000ドル突破

上値抵抗:44,000ドル
下値サポート:42,500ドル

市場は今後の米PPI、FOMCメンバー発言に注目しており、短期的には押し目買い優勢ながら、流動性低下局面での急変動には警戒感が残る。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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