12日の外為市場では、ドル買いが序盤を主導し EUR/USD は1.0860まで下落したが、米CPIの予想下振れを受け地合いが一変。欧米時間にかけてユーロ買いが強まり、1.0925近辺まで反発した。テクニカル節目と米金利の動向が相場を翻弄した一日となった。


午前:ドル買い優勢、ユーロは軟調スタート

1.09割れのストップ売りが相場を押し下げる

東京時間は米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢となり、EUR/USDは1.09を割り込んで下落が進んだ。
・日中安値:1.0860
・序盤の抵抗帯:1.0890–1.0900

市場関係者は「インフレ粘着性への警戒から早朝はドル買い戻しが目立った」と話しており、投資家心理はややリスク回避方向へ傾いた。


午後:米CPI後に相場が急転、ショートカバーが連鎖

インフレ鈍化でドル売りが加速

米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米金利が低下し、EUR/USDは瞬時に1.0880台から1.0915へ急伸した。

アナリストの間では
「インフレ鈍化が確認されたことで、FRBの追加利上げ観測が後退し、ドルの買い持ち解消が一気に進んだ」
との見方が大勢となった。

テクニカルブレイクで買いが一段加速

1.0900のレジスタンスを突破するとストップ買いが連鎖し、ユーロはさらに強含んだ。
・日中高値:1.0925
・主要節目:50日移動平均線(1.0910)を上抜け

欧州市場では「次の焦点は1.0950」との声が広がり、センチメントは一気に強気へ転換した。


欧米後半:利確売りで伸び悩むも、高値圏を維持

短期勢の手仕舞いで上値がやや重くなる

NY後半では利確売りが見られたものの、ユーロは1.0920台を維持し、底堅い値動きとなった。


終盤総括と先行き見通し

1.0950が上値ターゲット、押し目形成に注目

急反発で短期的な地合いは改善した。市場は上値の1.0950、下値の1.0880を意識している。
今後は米小売売上高、FRB高官発言が相場のカギを握る見通しだ。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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