午前の欧州市場オープン直後、 EUR/USD はおおよそ 1.1580-1.1560 のレンジで動き始めました。ドル安の流れを受け、1.1580近辺まで上昇する場面も見られましたが、1.1585付近が明確な上値抵抗として意識されました。アナリストは「ユーロがドルに対して一時的に優勢を取り戻したが、強めの反発には慎重」と指摘しました。

この時間帯、特段の経済指標やニュースの飛び交いは少なく、市場は直近のドル金利や流動性を慎重に見ていた模様です。テクニカル的には、1.1560のサポートが初期の注目水準として浮上していました。

昼前〜昼時(ロンドンセッション)

ロンドン市場が本格稼働に入ると、ドルの買い戻しが顕著になりました。特に USD/JPY が 154.60-155.00 のレンジから 155.20 付近まで上昇。これを受け、EUR/USDが1.1560を割り込む場面が出現し、1.1550近辺まで押し込まれました。

「ドルの利上げ期待や米債利回りの上昇がドル買いを誘発している」と、多くのアナリストがコメントしました。1.1550は当初から注目サポートラインであり、この割れをきっかけに下げモメンタムが加速しました。

夕刻〜NYクローズ(北米セッション)

北米時間に入ると、ドル指数(DXY)が再び反発傾向を強め、EUR/USDは結局 1.1535-1.1545 を付近で取引を終えました。上値1.1585を試した後の戻り売りに押され、1.1550すら保持できない展開となりました。終盤には1.1520あたりが暫定的な安値として意識されました。

このフェーズでは、トレーダーの「ドル耐性復活」という見方が浮上し、「ユーロ上昇の出番は今のところ限定的」とする声が聞かれました。テクニカル的には、1.1520割れが次の節目として警戒され、反対に1.1585超えが再び上値チャレンジの鍵となりそうです。

見通し(Looking Ahead)

明日以降、米国消費者物価指数(CPI)や雇用統計などの重要データ発表が控えており、ドルの基調に大きな影響を及ぼす可能性があります。EUR/USDは 1.15201.1585 といった技術的な節目に注目が集まりそうです。トレーダーはこれらのレベルを手掛かりに、ドルの強弱どちらが優勢か見極める展開が続くでしょう。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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