「ドル高継続、インド・ルピー88.80=1ドル付近で高止まり—市場、介入観測にも敏感」

朝の〝立ち上がり〟(日本時間早朝〜午前)

米ドル指数(DXY)が3ヶ月ぶり高水準付近にあり、対アジア通貨も強含みでスタート。特に、インドのルピー(INR)が1ドル=約88.7875付近まで下落。これは【Reserve Bank of India(RBI)がドル売り介入を行っているとの観測】が浮上していたこともあって、さらなる下落には慎重なムード。

昼〜午後(中盤)

輸入業者のヘッジ需要継続と、米長期金利上昇・米連邦準備制度理事会(Federal Reserve/Fed)による利下げ期待後退が背景に、ルピーの反発力が弱い展開。アナリストは「ドルの堅調が継続すれば、ルピーの下値余地は限定的」と述べている。

夕方〜引け(東京・ロンドン時間)

市場は「88.50~89.10レンジ」を当面の目安としつつ、RBIの今後の動きに注目。ドル高基調のもと、ルピーだけでなく他のアジア・新興通貨のリスクオフ傾向も見られ、為替の“リスク感情”が引き締まった一日。

技術的なポイント・分析

  • IN R/USDで88.80付近が心理的サポートになっており、これを下抜けすると次の節目は89.10近くと見られている。
  • ドル買い・新興国通貨売りの典型的ポジショニングが改めて鮮明化。

コメント

アナリストは「ドルインデックスの反転が起きなければ、新興通貨体系では一様に調整圧が残る」と指摘。特にインド市場は輸入依存度が高く、通貨下落がインフレ圧力を通じて中央銀行の選択肢を狭める可能性もある。

注目ポイント

明日のデータ発表(例:インドの貿易収支や米ISM指数)およびRBIの発言が、ルピーの次フェーズを左右するカギとなろう。

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投稿者 Watanabe, Kenji

東京を拠点とする経験豊富な金融専門家である渡辺健司氏は、日本の大手証券会社でキャリアを積んだ後、現在は独立系アナリストとして日本株およびアジア市場のマクロ経済分析を専門としています。その鋭い洞察力と分かりやすい解説には定評があり、多忙な本業の傍ら、余暇を利用して invesfeed.com の寄稿ライターとしても活動し、グローバルな視点から個人投資家向けに最新の市場トレンドや投資戦略についての分析記事を執筆しています。

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